けんじブログ
子どもの五月病 適応障害 うつ
2022年05月17日
枕草子の第一段は、「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、…」で始まります。
春っていうのは、あけぼの(夜明け)が良いと清少納言は書いています。
中学生あたりでこれテストに出た記憶があります。
テストって言葉でそわそわしてくる僕の胸、一種のトラウマでしょうか…
さて、春は、新年度の季節。
新たな環境でスタートを切った方もいらっしゃるでしょう。
気候は晴れた日は暖かくて最高ですね。雨降ると寒いですが・・
個人的にはゴルフをするのに最も好きな季節。
桜の咲いた下でのゴルフだったらもう最高です。
五月病
そんな春ですが、ゴールデンウィークが明けた辺りから耳にするのが「五月病」。最近でもテレビで特集されてました。
眠れない、倦怠感、やる気の低下、元気ない、食欲不振、うつむきがち、憂鬱になる、不登校、
などの症状が見られます。
特に眠りに関して訴える方が多いように思います。
寝つきが悪くなった
お酒を飲まないと眠れなくなった
お酒を飲んでも寝れない
途中でよく起きる
夢をよく見るようになった
夢の内容を覚えてる
朝起きられない
など。
そもそもですが、五月病という病名はありません。病院に行くと「適応障害」だったり「うつ」と診断されます。
昔は、新社会人に多かったそうですが、近年では、小さい子供たちに増えているそうです。
お子さん、「学校に行きたくない」って言っていませんか?
「前の学校の方が良かった」「前のクラスの方が楽しかった」
など前と比べるようなこと言ってませんか?
漢方的な考え
漢方では、春は「肝(かん)」という臓腑と関わりが深いとされています。
「肝」は、解剖学的な肝臓と似てますが、ちょっと違います。
漢方で言う肝の働きは、疎泄作用と言って、体を構成している“気”という目に見えないエネルギーのようなものを体の隅々まできれいに流す働きをしています。他に蔵血作用と言って血液を蓄えたり、必要な臓腑へ届けたりする働きもしています。
肝の働きが失調して疎泄作用や蔵血作用が弱まると出る症状が…
イライラ、不安感、抑うつ感、疲労感、不眠、やる気が出ない、食欲不振、朝起きれない、肩こり、目がしょぼしょぼする、など。
これ五月病の症状と同じのが多いんです。
なので五月病には少なからず肝の失調が絡んでいます。
肝を失調させる最も大きな原因というのが「ストレス」です。
環境が変わったことへのストレス。新生活でのストレス…
他人には小さく見えるストレスも当人にとっては巨大なストレスだったりします。
ストレスは目に見えないので難しいですが、何がその子その人にとってストレスになっているのか、コミュニケーションを取ってあげましょう。
治 法
治法としては、ストレスを解消してもらいます。ストレスから逃げたり、遠ざけたり、出来る範囲でも良いですが、ストレスによる負担を少しでも小さくしていただくことは必要になります。原因が分かると、これだけで良くなることもあります。
漢方での治法は、肝の働きを良くして、ストレスを上手にさばけるようにしたり、気の巡りを良くしたりする漢方薬を用いたり、つらい環境への適応力をアップさせる働きのある生薬を用いたりします。
漢方薬だけでなく、肝臓加水分解物の滋養強壮剤を使うとより早く効果的です。
その他、肝のための養生法もお伝えします。
例えば、肝は目と繋がっています。夜遅くまでテレビを見たり、長時間スマホを見ることも肝には負担になるので避けましょう。
春は、締め付けず、のびのびと!
外せる場所ではマスクを外して、自然にふれあいましょう!